守子について

鈴木 福寿

守子(もりこ)は「わか」または東北地方で「いたこ」とも呼んでいる。茨城地方では古くから「わか」「守子」と呼ばれ、現在でも日立市には数人がそうした仕事に就いている。

この人たちは、守子となるため、守子にふさわしい修業をつんだ人に仕え、火だち、穀だち、生きものだち、塩だちをし、夜中に七杯の水行をして身を清める。毎月1、3、8、10、15、23、24、28日の八つ時に墓、宮にこもり、修業をする。その後初めて守子となる。

「守子」は各家の依頼によって、「守子よせ」「わかよせ」を行う。夜間に行われる仏寄せを大弓、昼間行われる仏寄せを神座という。仏寄せをするときに使う弓を大弓とも呼び、長さ1間(六尺)の七節のあるものが使われる。この大弓を使うのは、水戸藩徳川光圀の時代、光圀の家来の家族が原因不明の死に方をして、そのとき大弓をたたいて祈祷したことが始まりだと伝えられている。この祈祷方法は光圀がゆるしたものだという。

*昭和53年 日立市宮田町萩庭千代さん(69歳)からの聞き取りによってまとめたもの