十王町民俗資料館の閉鎖

日立市に合併することとなった十王町の最後の日、2004年10月31日、町立の「十王町民俗資料館」が閉館となりました。日立市との合併協議の中で存続が決まりかけたそうですが、十王町から閉館の申し出があって閉鎖となったようです。十王町の福祉・教育・文化その他の施設・機関が日立市に引き継がれ存続する中、十王町民俗資料館だけが日立市には引き継がれなかったのです。

日立市郷土博物館より6年はやい1969年(昭和44)に開館した歴史のある博物館です。その入口には歴史学者であり民俗学者の肥後和男の筆になる扁額が掲げられていました。

しかし、その設置条例・規則をよむと、水曜日の午前9時から5時までと土曜日の午前中と開館日・開館時間がきわめて限定されていました。棟続きで玄関を同じくする公民館が開いているときでさえ水曜と土曜日以外は資料館の扉は閉められていました。公民館の受付の目と鼻の先10メートルもないところに資料館の扉があるのにです。理由はもちろんあるでしょう。しかしこのことが歴史ある十王町民俗資料館の閉鎖を招いた一因であることにちがいない。そう思えてなりません。

閉鎖について十王町民の間で話題にならなかったのでしょうか。閉鎖を知っている町民はどれだけいるのでしょうか。資料館の建設にかかわった人たちは閉鎖を知っているのでしょうか。町民の資料の寄付で成りたってきた資料館が閉鎖となった理由はどこにあるのでしょうか。