史料 常磐炭礦茨城礦業所新体制座談会
史料について
茨城礦業所タイムス 第407号 1面
- ◦資料名:茨城礦業所タイムス 第407号
- ◦発行年:1967年(昭和42)4月11日
- ◦発行所:常磐炭礦(株)茨城礦業所 茨城県北茨城市中郷町865
- ◦所 蔵:北茨城市土屋三男氏
炭礦の社会史研究会において複写本を保管
テキスト化にあたって
- [1]縦組を横組にした。
- [2]明らかな誤植は訂正した。
- [3]本文中の[ ]は編者
- 参考
- 所員の質問に答える茨城礦業所長渡辺三郎について簡単に紹介する。
1912年(明治45)に宮城県仙台市生まれ。33年(昭和8)日本大学専門部を卒業後日本橋の大阿久石炭商店に勤めた後、39年に入山採炭(株)本社に入社。41年同社経営の中郷無煙炭礦(多賀郡北中郷村)に転任。44年磐城炭礦(株)と入山採炭(株)が合併し、常磐炭礦株式会社設立。48年常磐炭礦(株)茨城礦業所労務課長、64年に常磐炭礦(株)取締役、茨城礦業所長となる(『北茨城名士録』)。
生産は需要によって変わるもの
経営者にきく86万トンの新体制
〝茨城の現況と将来〟を
経営者にきく会が去る27日、礦業所会議室において開かれた。
質問は、需要の見通しから鉱量の問題に及び、更に人事関係へと発展していった。
千葉課長の司会によって進められた二時間余に亘る会の模様をお伝えして、全従業員の参考に供したい。(文責記者)
[座談会風景写真略]
出席した人々は
質問に答える
礦業所長 渡辺三郎
礦務部長 立山 正
両氏の経営者側にきき手は
中郷礦採炭係長 笹原茂男 労務課長 高橋進
同採炭機械係長 渡辺則重 機電課長 対馬謙
同 採炭主務者 根本秀寿 機電係長 志賀高晴
神の山採炭係長 大角暢三 中郷労務係 大平喜市
同 機電係長 根本茂雄 神の山労務係 土屋三男
同 採炭主務者 中崎敏夫 資材課生用係 芳賀康幸
会計課会計係 須藤正弘
の十三氏、なお司会は 庶務課長 千葉直彦
のみなさんであった
- 千葉[司会 庶務課長 顔写真略] 今日は皆さんが従業員の代表ということでお集まりいただきました。ご存じのようにエルネギーの流体化革命により三十六年度を契機として、わが国のエネルギーが、石炭から石油中心に移行しつつありまして炭鉱は非常な苦境にさらされるようになりました。
しかしわが茨城礦業所におきましては、労使一体の本当にたゆまざる努力によりまして、石炭調査団の三度に亘る調査の結果評価されたビルド鉱としての名に恥じないような実績を今日まで続けてきまして、しかもその間特に中郷、神の山とも最悪の条件に遭遇しつつもよくこれを克服し、つい最近に至りまして年間百万トンの出炭体制をつくり上げたのであります。
これにより昭和四二年度からは、政府の石炭に対する助成はあるものの茨城礦業所だけはなんとか自力で生き抜いてゆけるんではないかと大いに期待し、明るい希望をもっておったのであります。
ところが最近の石炭の需要の減退は、当所といえども免がれることができず、三十万トンという大貯炭を持たざるを得なくなり、このまま百万トンの出炭体制を持続するときは、42年の年度末において五十万トン近い貯炭になるんではないかというようなことも予想されまして、終にやむを得ず〝需要にマッチした生産をする〟ということで42年度の出炭は八十六万トンということに縮小せざるを得なくなったのであります。
百万トン出炭できるのに八六万トンしか出せない、充分出し得る力をもっていながらその力を発揮できないということは脾肉の嘆きをかこつような気持ちで、少なからず不安と焦燥を感ぜられるのは我々だけではないと思うんです。
ちょうどそのときと前後して、近隣の高萩炭礦が閉山を宣告したり、或いは某炭礦が夏までではないかという噂さなども出ており従業員、家族の中にはなんか不安があるんではないかということも懸念されるわけであります。
こうしたことから今日はひとつ皆さんのような若い現場の責任者のかたがたから従業員の代表であるということでその声を大いに反映し〝茨城の現況と将来の問題〟について忌憚ない質問をしていただきたいと思います。では一番若い大角さんからどうぞ……。 合理化に終りはない
- 所長[礦業所長 渡辺三郎 顔写真略] その前に私から一言いっておきたいんだが…。常磐炭礦も創立以来二十余年になるが、特にその後半においては合理化につぐ合理化の歴史を繰り返してきた。
これは即石炭事情悪化というものに比例するわけだけれども、そういう中にあっても茨城礦業所が比較的穏便な手段というか、あまり強度の合理化をしないできた、こういうことが結局全従業員の気持ちを多少温室育ちにしてきたんぢゃないかというキライがある。従って今回のような百万トンを八六万トンにしたことによってピクッとして、さあ将来はどうだ、という心配がすぐ起きてくる。磐城礦業所では十六万トン減産で、率にするとこちらよりは低いが、従業員はそれほどショックは受けていないようだ。それが試練を経たものと温室育ちのものとの違いだろうと思う。我々はそういう点、従業員の精神を鍛えるのに欠く処があったものであろうかと特に最近痛感している。
合理化によって、整理につぐ整理ということは好ましい状態ではないが、企業というものは、技術が日進月歩であり、連続的合理化が要請されることは当然であり、企業が存在する限り合理化は続けていかなければならない。つまり合理化に終りはないと断言していゝと思う。
そういうことを考えて今回の問題に対処すると、これはもう石炭が売れないから売れるだけ掘るんだ、それなら本鉱員だけで出せば何トン出せるんっだといくべきで、不安より先にそれが当然なんだという決意と勇気が若い貴君たちから出て来なければならんと思う。合理化驚くに足らず、絶えず合理化はしなければならない。それはいわば宿命ともいってもよいと思う
そこに自由経済の鉄則があるわけだ…。 - 大角[神の山採炭係長 顔写真略] 需要に見合った生産をやるということは経営上当然だと思います。たまたま42年度出炭は八六万屯になり、これに見合い神の山も一払で出炭をやる、一払で出炭をやることは、払の合理化だけでなく、無駄をなくす大きな目的があります。
神の山の合理化は自走枠が最後ぢゃないかと思いますが、今後その自走枠の導入或いは仕繰りの研究などによって生産上保安上の万全を期し、合理化を進めてゆくことを考えました場合、八六万トンの出炭ということはコストの面からこれ以上少なくできないという感じを受けるんですけれども、この点に関し需要の見通しをご説明願いたい。 坑内構造と集約を理想の姿としたうえで
46年度から増産態勢にはいる- 所長 炭鉱というものは坑内構造が最も単純な姿が望ましいのが当然で神の山は現在一坑口一切羽で理想的な姿である。それを四十三年度から自走枠化する、自走枠化というより無人化払いにすることが最終の目的である。
そうした場合何屯出るんだということになると、歩留りとか人員によって決まるんだが、しかしそういう形にしたとき要請される能率が五〇屯だということになると、いきおい人数が決まってくる。
その決まった人間で出し得る最大の出炭を一応の需要と見越して開拓してゆくと考えるしかない。
それも一払いから最小の人員で出しうる最大の出炭つまり最も安い線である。こういったことが合理化の最終目的だとうと思う。
それでいくら出るかというと二十三万トン、これで四十五年までいくんだが、その後は自走枠とカッターとの習熟によって、五〇トン六〇トンと能率を上げ、増産態勢にはいっていくつもり。その時は二十三万トンの枠ははめない。
つまり四十六年以降は常磐共同火力の増強がある筈であるから、需要はより拡大される見通しである。むしろその時点で四〇トンぐらいの能率でモタモタしないだけの技術の進歩をやりとげてほしいものである。
その場合でも一払い完全自走化でいくことに変りはない。然し能率を上げるためのニューアイデアや工夫が必要になってくる。 - 土屋[神の山労務係 顔写真略] 神の山の再建整備計画が発表され、少数精鋭主義で採掘員が払いから抜かれるんではないか、次に人員に余剰がでてくるんではないかという不安があるようにきいていますのでこの点についておたずねしたい。
完全三交替或いは
四交替出炭を
考えている- 所長 当然少なくなってくる。従来の進行ではそう考えられるが月四万トンの出炭をするとなると払の進度を一層早めなければ確保出来ない。当然掘進も月二〇〇米位では駄目で三〇〇米はいって貰わねばならなくなる。本数も多くなるから掘進員も多くしなければならない。しかも本鉱員だけでやっていく……。しかし払いの人たちが仕繰に回ったり、全体的に余剰が出るということはあるまい。
- 大角[神の山採炭係長] 不安があるということは趣旨が徹底していないということだと思います。一払いにするということは二を一にするんではなくて、ムダを無くすんだという簡単なことがなかなか理解されていないようです。これは我々の力不足の点もあるんですが……。
- 部長[立山正礦務部長 顔写真略] これまでの五方が三方になって、一方二五名ぐらいが今度は約三〇名はいる。
そうして余った人は組員がやめたあとの掘進に回ることになるだけで実際の払いの人には殆ど変りはない。 - 所長 そういう質問が出るということは、従業員が払いにはいれないという悩み、もっと働いて収得を増やしたいんだが、もしかしたら収得が減るんじゃあるまいかという心配だろうが、年齢的にまた体力的に払にはいる人が少なくなるんではないかと心配している私たちの考えからすれば喜んでいい現象だろうと思う。払いにはいりたいという人が多いということは非常に心強い限りで、そういう希望があればそれにこたえるようにしてやらなければならない。むしろ私は従業員のそういう態度に自信が出て来た。
- 根本[神の山機電係長 顔写真略] 二千米坑は三ヵ月で終るでしょう。それについては次期払いの掘進を早めなければなりません。ウチの機電としては百万トンが八六万トンになったとか、高萩の閉山とかについても別に動じていないようです。これは自信をもっている人が多いということだと思います。
残るは
常磐一社だけ- 所長 その問題については、我々が四、五年前、石炭がこういう事情にならん前「将来は本州においては常磐炭鉱しか残らんよ」といっていたことを思い起してほしいと思う。ほかの炭鉱は鉱量とか労務者の老化現象とかいう原因と理由によって閉山するであろうといっていたんだが、そうしたことがいま徐々に進行しつつあるわけだ。そういうものを見て富士川の水鳥の羽バタキではないが、ビックリしていたんでは仕方がない。
もともと茨城炭礦の石炭は、九州や北海道のスミと競争しているんではなく、市場においては茨城県内の石炭と競争しているんで、我々が伸びようとするなら、よその炭鉱が縮むしかないし、よそが伸びれば我々が縮むことになる。こうしたことから、よその炭鉱には悪いが閉山やむなきものは早くそうなることが望ましいわけである。
仮りに例をとってみると、いま共同火力に茨城県のスミが八〇%いっていて茨城が五〇%である。三〇%のヤマが無くなればウチがその分をやることになり、それだけ需要が伸びるようになる。端的な計算ではそうなるということだが、事実そうなるだろうと思う。 - 千葉[庶務課長] 只今のお話で八六万トン体制と他炭鉱閉山についての不安ムードは解消されたと思いますが、こうしたこと以外に不安の原因になるような事はないでしょうか。
- 笹原[中郷礦採炭係長 顔写真略] 中郷では一六〇〇米坑が終れば第二斜坑の方へいくわけで、その第二斜坑の方は採掘計画からみても八年ぐらいはあります。
その後においては、いわゆる南進であるといわれていますが、削木断層を突破しての鉱区の問題についてはどのような状態になっていますか。 二斜坑のあとは
南坪下水平坑を開削する- 所長 中郷の鉱量問題は我々も真剣に取組んでいるが二斜坑方部は四十八年ないし四十九年までの予定で、その後は七百万トンある磯原方面に行くべきかそれとも未調査ながら海底にもあるので、その方面に行くべきかと考えた。
しかし現在のように石炭事情が苛烈になってくると、安い炭をそして炭層条件のよいところを掘らなければならない。
これは決定的なことで、それぢゃどこが一番いいかというとやはり削木断層を破って南の方に進出するということがどうしても必要になってくる。
既にボーリングで炭層を把握しているから四十四年からは開削にかかる決心である。
南進した場合の鉱量は一応二十年と見込んでいるが、そのあとは磯原方部にゆき、更に海底にはいることになる。 - 千葉[庶務課長] 中郷の場合、鉱区鉱量の問題もさることながら、現在多くの従業員が一六〇〇米坑で非常に苦労している。こうした問題ついて将来の技術的な問題について疑問とか質問は。
- 笹原[中郷礦採炭係長] 一六〇〇米坑の払いは九〇〇米坑や一四三〇米坑においても層だったように、高温の問題が非常に坑内条件を悪化させている。
この対策としては充填を一日も早くやるよう努力しており一両日中これが実現できると思います。坑内条件が悪いということは入坑率にもまた人間関係にも影響しますので、これが改善には鋭意努力しております。 - 大平[中郷労務係 顔写真略] 茨城炭礦の将来について不安はないことは今までのお話しでよくわかりましたし、採炭係長のおっしゃった一六〇〇米坑は近いうちに涼しくなることと信じていますが、九〇〇米坑や一四三〇米坑でも涼しくなる涼しくなる涼しくなるといいながら、とうとうそれが実現されなかったことからも一六〇〇米坑について夏場の高温対策はどのように考えておられるか。
- 部長 今は芳ばしい状態ではないが、切羽自体の温度についてはそう変りはなく、いわゆるカタ度なんかも従来の払からみればよくなっている。ただ上添坑は払いの充填をやっていないため熱くなっているが、これも神の山の上添坑と一度半ぐらいの差で三三度ぐらいです。温度はそんなもんだが坑道が狭隘だということで非常に苦しい、これが一番のネックだと考えています。この狭隘個所は木枠分の百米ばかりなので、これを拡大することによって通風をよくできるので、去年の夏のようなことはなくなると思います。
働きよい職場をつくれば
すべてが解決する- 所長 先程から人間関係とか入坑率の問題とかいろいろあったが、坑内の作業条件さえよければ一挙に全てが解決すると思う。かって神の山が条件が悪かった当時大変な離山ムードが起きたが、二年の月日をかけて坑道を完全に仕繰り直した結果、そうしたもやもやの問題は雨霧消散してしまった。そうしてむしろ前より堅実な基礎ができ上った。やはり働く人にとって、作業条件がよくなることがなんといっても大事だ。
- 根本[中郷礦採炭主務者 顔写真略] 自走枠になったとき最少の人員で最大の出炭をするんだということですが、いま払いにいる人がやがて本番に回されるんじゃないかという不安を持っている。なお四十才から五十才にもなると高校学令期の子をもつ年代であり、このようなときに本番になれば金が安くなって大変だという不安も大きい。
最小の人員で最大の出炭はよいが、本番に回ってもある程度の金がとれるんだという裏づけ必要だと思いますが。 - 所長 自走枠を導入する、それだけではダメなのでダブルレンジングなどと組み合わした中で無人化していかなければならない。ぢゃそれで能率を上げて採算がとれるかというと少なくとも原炭で三五トン、三六トン出なければ引き合わない。今テスト払いで二五、六屯だ、これではダメだ。ではなぜ自走枠を入れるんだというと、やはり働く人の労働を軽減し、そしてその労働力を温存して長くしなければならないからである。少なくとも十才は伸ばすことができると思うが、これが最大のネライである。逐次能率を上げてゆき、四十五年度には五〇屯を目標としており、そうすることによっていわゆる高能率、高賃金、今よりは高い賃金を払ってゆきたい。自走枠によって賃金を下げるんではなくて、能率を上げることによって更に高い賃金を払ってゆくというネライである。
これも採炭だけの賃金ではなく坑内労働というものを他産業に比較した場合の評価をどうするかということを考えなければならない。やはり一般産業から見れば二倍の賃金を払ってゆきたい。
そうすると採炭は更に高くしなければならないということである。
自走枠化することによって、いろいろの点が解決してゆく。 - 大角[神の山採炭係長] 他産業の若手労務者確保状況は……
労働力不足は
日本全体の趨勢- 所長 景気のいい電気産業あたりでも、必要数の五〇%ぐらいといわれており、中々の求人難のようだ。
高校の進学率をみても全国平均で七四%、茨城の従業員の指定では驚く勿れ八五%だ。中学を出たものより高校卒が多くなり、更に大学が多くなるだろうという趨勢だ。将来ブルーカラーがになる者が急速に減っていくというのが日本経済の悩みだが、ホワイトカラーが多くなりブルーカラーが少なくなる。つまり労働階層が高級化しつつあるということで、それが一番問題だ。だから炭鉱もボタン一つではできないにしても軽い労働で危険のない作業場にしてゆかなければならない。 - 中崎[神の山採炭主務者 顔写真略] いま神の山の片磐仕繰りは準請負を実施しており、非常に能率が上っています。片磐の木枠入替えは必ず二枚やる。金棒切上げも当然二枚やっており、そして百%の割増しをやっています。
立坑の掘進も一方一枚だったものをいま二枚入れていますので、払以上に賃金を支給しましたので、やれば金になるんだということが全部にではなくとも殆んどの人に徹底していると思います。片磐長が短いため三ヵ月終了では非常に損ではないかと思います。これから東坑に移った場合は八百米から千米の片磐長をとって、少なくとも十ヵ月か一年ぐらいの払いをつくりたいと思いますし、急速掘進が必要な段階ですので、掘進機械の導入などについては現場の意見を充分にきいてもらいたい。 払の自走枠化ということは
払の人員を仕繰員にすること- 所長 今の質問ではなかったが、先程自走枠化した場合、仕繰りはどうなるかという質問があったので、ここでお答えしておくが、自走枠化するということは払の人間を仕繰化することだろうと思う。払いで働く人の労働が軽減されて、むしろ片磐仕繰りの方が過重になってくる。
そこで同一労働、同一賃金の原則にしたがって、仕繰りにおいても払いにおけると同様の質と量の作業なら、当然同じ賃金を払ってもらって結構です。仕繰りの請負化に踏み切ったのも実はここにあるわけで、能率があがれば賃金もあがる、当然のことです。 片磐長は
五〇〇〜八〇〇米が理想- 次に東坑方部の片磐長を長くしたいということは全く賛成です。一号から四号あたりではできないにしても、五号から七号あたりになるとできると思う。七号の下部へゆくと大日本炭礦の三角地点をとび越えて磯原地区にはいっていくことになり、千米になるか二千米になるかはわからないが、これは是非やりたいと思っている。
そこはボーリング一本だけだが四十二年度の予算でもう一本うって更に炭量を確認した上でやりたい。掘進機械については部長も今度ソ連に行って見てくるわけだが、今のベーカーセブンは力が弱いそうだから、別にもっと強いものがあれば予算なんか削らないから是非入れてもらいたい。 - 部長 片磐長の問題は払いのスピード、自然条件を考えた仕繰りの問題など、いわゆる限界というものがあって、長ければ長い方がよいと一概にはいえない。
- 所長 払の面長も今では一八〇米、むしろ一五〇米が一番よいというようになったネ。
- 部長 中郷の場合は、片磐距離が長くて苦労している
- 所長 原則として長い方がよいが、それにしてもガスとか水などの諸条件の制約があるから、それらを勘案して片磐長を決めるということでしょう。
- 根本[神の山機電係長] 神の山の坑道仕繰りの効果は確かに出ていますね。
- 部長 機電は楽ができるようになったか。
- 志賀[機電係長 顔写真略] まだ楽とまではいっていないにしても、器材類の搬出、搬入など考えたら、仕繰りの効果は大きいと思います。
- 大角[神の山採炭係長] 今一五二〇米坑の撤収に手をとられているが、これが終り、一払いが軌道にのれば片磐仕繰りも請負ばかりにして、交替のない個人作業ができるようになり、請負の魅力もピンとくるようになると思います。
- 千葉[庶務課長] 自走枠切羽の人たちは希望に満ちて働いているとききますが。
将来の需要は
電力一般向け- 渡辺[中郷礦採炭機械係長 顔写真略] 時代の先端をゆくという誇りと、従来の採炭にはなかった非常に楽な作業だということで、非常に喜んでやっています。
しかし将来能率と平行して生産を高めて行くことになるが需要の面はどうなんだろうとよく質問を受けることがあります。新聞などでもエネルギー問題が報道されていますが現在の炭鉱の動きやなんかをみて、本当なんだろうかという考えがあるわけですが……。 - 所長 エネルギーの長期計画の中では五十年度石炭が一二%になっているが、そのときでも出炭は五千万屯が維持されるという前提である。しかしその五千万屯が今後整備されるであろう炭鉱がどうなるか、または需要がどうなるかなどの面から果たして妥当なものなりや否や疑わしいものになってくる。
四十二年度から抜本策による補助制度が確立されて、炭鉱の買上げなども従来の二・四倍になり休閉山炭鉱が急速に増えることになると思う。そうすると五千万屯の出炭はおそらく達成されないだろう。もう一つは石炭の一般産業向けの需要は急激に減るであろうということを考えると需要は電力一本に集約されていくと思われる。
こんなことから五千万屯の線は崩れ四千五百万屯になるか、四千三百万屯になるかはわからないが、残った炭鉱でその出炭を積み重ねてゆくことになるわけで、需要は減退するが生産の方も減退する、こう考えてもよいと思う。しかしその時点においても需要家が要請する値段とマッチするものでなければならないので、生き残った炭鉱といえども絶えず合理化によってコストを下げてゆく、ということが要求される。 縮小均衡のネライは
- 笹原[中郷礦採炭係長] 企業のある限り合理化をやっていかなければならないというわけですが、中郷の場合新坑が完成した暁は月四万五千屯の出炭をしないことには中々コストの引き下げもむずかしいことなので、四万五千屯以上の増産をした分は確実にハケルという目安がほしいですね。
- 所長 炭鉱というものは作業場がだんだん深くなる。だから増産体制、つまり拡大生産方式即コスト低減につながるという考え方がどの炭鉱の長計でもある。
しかし需要の面でそうはできない。
これが今回の石炭政策の最も大きな問題点だろうと思う。炭鉱においての縮小均衡というのは不可能に近い。それを今回やろうと決心したものは四十二年度からいよいよ実施される補給金や補助金をもってカバーできるからである。 会社は
従業員のためのもの- 笹原[中郷礦採炭主務者] 足もとばかりみて甚だ当を得ない質問かも知れませんが、現場を担当していまして痛切に感じますことは、働く人に企業の意識が不足していることが問題ぢゃないかと思います。
〝きたぶりに働くのみがよき嫁と人もいうかや月を仰ぎつ〟とうたった嫁さんがいましたが、この農家の嫁さんといま働いている人の心理状態が全く同じで、喜びと希望の伴なわない労働だろうと思います。これを働く人の心の底からゆさぶるような方策を一つここでボカァーンとやる必要があるんではないでしょうか。それがこのムードを解消する大きな方策だろうと思います。 - 所長 私の四つの経営方針の中に労働条件の向上というのがあるんです。将来のビジョンをつくって従業員の気持ちを引き立てるということより住みよい炭鉱をつくっていかなければならないということでやってきました。茨城炭礦が百万屯の計画を立てて、採算も悪くはなし、これでいけるなァと私は考え、四十二年上期を一期としてやってみようということであったが今回八六万屯という線になったんで、また合理化のやり直し、前進したやり直しということですが、これは貯炭やその他の関係でやむを得ないもんだと思います。
こんなことからいま住宅をどうする、こうするということは言え得ないけれども、一時これをのばして将来の課題にしてゆきたいと考えています。やはり喜んでもらえるような雰囲気をつくっていかなければなりませんし、働き易い職場、住みよい環境をつくることは、どこの企業でもそれがネライであって、会社というものはなんのためにあるかといえば、もうけるためにあるのではなくて従業員のためにあるようなものです。 休日の出勤には
普通日に代休を- 志賀[機電係長] 最近レジャーレジャーと騒がれていますが、特に機電あたりでは公休作業が多く殆んど休めない状態です。魅力ある会社といったものにするには、ある程度の余裕をもった生活ができるものであってほしいと願っております。如何にして機電関係の人に、そういった余裕を与えたらよいか。これは機械化が進めば更にそういった問題がでてくると思いますが……。
- 所長 いまCBCや三号ベルトの取り付けなどがあってそういう余裕もないが、正常な姿になれば普通の日に代休をとるということにしていかなければならない。
- 部長 「休みッてこんなにあるもんかい」と、定年になって始めて暦を見たという人があったが、将来は日勤関係の人たちの公休日は日を決めて、半分ずつでも休むようにしたい。
- 根本茂[神の山機電係長] 現場の三交代係員は本当に無休型で出勤簿を見ても半年も休んでいない状態です。
- 部長 一払になればそれはなくなるでしょう。
- 志賀[機電係長] こんどはなんとか楽になると思います。
事業は
努力の連続- 所長 レジャーブームといわれているが、かといって他の産業の人たちは遊んでばかりいるわけじゃないんですね。昨日都築さんのくに子ちゃんの婚礼に出て感じたことだが、婿さんが勤務している東電側の人たちの祝辞というのが「嫁さんをもらっても早く帰るなんて考えちゃだめだよ、もういつでも遅いんだ、一生懸命やれよ」というようなことを繰返し繰返し言っており、我々だけが一生懸命やっているんではなく、東電のような日本一業績のよい会社でも仕事に打ち込む真剣さというものは我々と何等変りないということで、我々はやってはいるが、尚一層心を引き締めなければならないと改めて考え直してきたわけです。
アイデアのあるところに
新機械ははいる- 大角[神の山採炭係長] 中郷で自走枠の話しが出ましたが、神の山の直接員の中には「どうしてもそういった新しいものは中郷が先になるんぢゃないか」といったことをいう人がいます。いま神の山でも試験切羽の準備中ですが、この線だけは全面的なご協力をお願いします。
- 部長 日本で一番早く自走枠をつくったのは神の山だ。水圧鉄柱を日本で最初に入れたのも神の山、英国から二五〇本入れたのが最初で、これがいま全国にばらまかれている。
- 所長 長期計画の中でもそうだが、私の経営方針の中では払いは全部自走枠、ダブルレンジングドラムカッターという姿にする、仕繰りは全部請負にする、掘進も機械を入れて一ヵ月三百米も、四百米も掘る。ここまでいかなければ本当に合理化されたヤマにはならない。
この路線で進んでいくんで、迷わずにいってもらいたい。機種の決定は大角君が見てからにしよう。
モスコーほか欧州に行ったら部長と一緒に“俺の切羽にはこれがよい”というのを君が自分で決めてきてくれ。 近衛師団だけで
86万屯確保- 高橋[労務課長 顔写真略] 八六万屯の考え方ですが、組員を入れて百万屯というのはどっかキツイというか、それに類した出炭であったかも知れません。今度はそういうものを除いて本当に近衛師団だけで八六万屯を出すんだということで、むしろ余裕をもった出炭の仕方であって、そういう形の中から今まで手不足ということでやれなかったことを今後やっていく、という風に気軽に私は考えているんですが……。
- 部長 それでいいですね。私も八六万屯というものについてはそう固く考えていないんで、いらないものをやめさせて自分たちだけで出そうとしたら八六万屯だということなんで、能率が上ってそれ以上に出たら出たでいいと考えている。
- 所長 頭から何屯だせ、それなら人間はこうだというんではなくて、組員はいらなくなる、近衛兵だけで出したとしたら八六万屯という数字にんなったというもので、又逆に言ってそれ位なら売り抜いてゆけるという営業部の自信にもむすびついている。
- 中崎[神の山採炭主務者] 百万屯から八六万屯に減ったとなると何かそこに……
本鉱員で出せるだけ
出して貰いたいんだ- 所長 いやいまいる人で八六万屯以上出せるなら出してもらいたい。両礦長から出されたものが八六万屯になったものなんだ。
上期で中郷が七二〇名で二〇万屯、神の山が六一〇名で二三万屯ということで礦長から数字が出てきた。これにはまだ組員が入っているが、中郷では右一号の切回し、二斜坑の切回しが終ればいらないものが出てくる。神の山でも東坑しか残らないので一組だけになり、あとは仕繰だけになる。
もっと出すなら出しなさいということになる。… - 高橋[労務課長] 先程所長がおっしゃられた労働密度の問題ですが、確かに払いが従になって片磐仕繰りが主になるように思われます。そこで直接員のうち稼働率が下がるのが合理化の本当の姿だろうと考えられます。
そうしますと、いきおい仕繰りの問題に取り組んでいかなければならない。
払いには自走枠がはいり非常に希望も出てきていますが、仕繰りについてはまだその機械化というようなことは簡単に私たちの眼の前には現れてこない。そういうことで今後は仕繰りの研究というものについてどんな考えがあるのかおききしたい。 - 部長 先日もみんなで番打ちの問題について勉強したわけです。
請負いは担当主務者までつけてやっているので、そこでいろんな問題をその都度解決してゆきたい。
なお再来月になれば中郷の集約も決まるので組織化した中で研究班をつくっていくつもりです。 若人よ勇気を出せ!!
自走枠化・無人化に向ってただまっしぐら自走枠を理解しよう 希望によつて見学会を
- 高橋[労務課長] 神の山の坑内は単純化していて、新しい人でもすぐ頭に残るほどわかり易いが、中郷の方は北斜坑とか一六〇〇米坑とかに分れており、神の山に比較して自分の坑内を知らない人が多いと思う。
そういう面で、やはり配番などについて一方づけることがなければ二斜坑の炭層のすばらしさ、または自走枠払いの機械化を身近に感ずるようになると思うんですが。 - 笹原[中郷礦採炭係長] 掘進も払いも殆んど同じ人が専門にやっている状態で、自走枠の無人化払いには非常に強い関心をもっているが、部分的にしか自走枠を見ていない現状なので、これから見学会ということでみんなに見てもらうことを考えています。
自走枠切羽はなぜ二交替にしないのか、増員するときには俺をぜひ、という声も多くあります。 石油との関係
はどうなるか?- 志賀[機電係長] 炭価の問題は石油との関係があることは確かですが、今後の問題について……。
- 所長 綜合エネルギー計画の中で、五十年度には原子力が急速に伸びるが未だ石油が中心であるとしている。しかしその石油がエネルギーの中心を占めるにしても、その内容が大分変ってくるんぢゃないかと私は思う。というのはガソリンを使うのは大体自動車であるが、この自動車が公害やその他の関係で電気自動車の開発が急速に進んでいるからである。
ガソリンを使わない自動車が出てくるということは石油産業にとって偉大な驚異であると思う。原油を処理してガソリンをとりそのあとで軽油と重油をだけをとってガソリンを捨てるわけにはいかず、ガソリンが売れないとすると軽油重油が非常に高いものになってくる。同時にこんどはガソリンをとらない原油の生焚きをするという発電所ももう既に出ており、その率が非常に高くなっているので石油としても安閑としてはいられないと思う。原油の生焚きということになると直接メーカーから買うようになるので石油商社は大きな打撃をうけることになってくる。こうなっていくだろうと考えている。
そういうものと石炭とどう競争になるかということだが〝日本の石炭は五千万屯、これを全部やめて石油にしろ〟という人もいる。石炭を全部やめにして屯当り四千円とすれば二千億だから外貨にして約六億ドルが必要になってくる。六億ドルは日本の輸入総額の六%で大したものではないという。ところが日本の外貨手持ちは二〇億ドルだから、このうち六億ドルも出すことになると常時の準備高を割る殊になり、いわゆる国際収支を悪くしてしまうことになる。そこに問題があり輸入に頼らないで国産の石炭を使うということが安全保障の立場からもいいことだといわれている。米についても、国産石油についても同じことがいえると思う。
国産石油は全消費量の僅か一%といわれているが、これだけのものでも温存しなければならないという意義は、それによって食っている人たちの社会不安を醸成しないという政治的な配慮があるわけで、米だって外米なら半分の値段で買えるが、それでは農民がひ上ってしまい社会不安が起きる、だからやらないんですよ。 賃金は
既に磐城と同じ- 芳賀[資材課生用係 顔写真略] 人事関係のことになりますが、従業員の老令化防止のための若がえりが必要であるとお話がありましたが、やはり常に若い人がいない会社というものはそれだけ沈滞ムードに支配され易いと思います。それで若い人に魅力をもたせる意味から職務給の採用が必要であり、この点現在の直接員の割当歩合などは比較的年功序列型になっていて若い人たちの一部には不満もあるんではないでしょうか。
またもう一つは身分資格の処遇上の問題ですが、自分のことは口に出せないから歯をくいしばって昇級、昇格を期待している人も相当あると思います。そういった面で何か明るい見通しが与えられるような制度というか実施を考えていただきたいと思います。 - 所長 茨城の賃金は、磐城よりは安く近隣炭鉱よりは高いんだと一般的に皆さんは考えているでしょうが、この二年私は賃金是正に全力を注いできました。その結果は磐城ともう差がないまでになっています。つまり、茨城・磐城のあるべき姿の賃金額に落ちついています。
むしろ平均年令が若くて在職年限が短かい茨城の方が率からすれば高くなる勘定です。
これはどうして是正してきたかといえば、採炭員は標作、仕繰員は請負給によって、また間接員は基準外もあるが本給の考え方を新たにしてきたものです。
いま格差を云々するのは当を得ないことです。
職務給については私も前から研究してしますが実際そのとおりだと思います。しかしいま若い人と年をとった人との比率をみますと、年をとった人の方が多い。労務でも職務給への検討を進める一方これまでの賃金は果して年功序列型でやってきたかどうかについても併せ検討してみたが、少なくとも鉱員賃金については年功序列ではなく個人の能力を充分加味した賃金を支給してきている。
しかも直接員については全額能率給ということがいえると思う。
ただ職員の場合になると年功序列に対する欲求というか要望というか非常に強いものがある。例えば同じ学校を出て同じ年次に入社して、アレが係長になったんだからコレも係長にしてくれ、なんていうことで庶務課長は頭を痛めているのが実情です。
最後の昇格については今年はやるのかという端的な質問だろうと思うが、これは全社的な問題なのでやるとも、やらないとも、私はここで答えるわけにはいきません。
しかし気持ちとしては、やらなければならないし、またやるべきであると思います。
だが我社はいま有史以来の問題に取り組んでいて、昇格をとりあげる以前の問題が未だ解決していないということでしょう。
それと関連して”繰上げ定年があるんぢゃないか、我々は六月にやられる”なんて得手勝手な評判を自分から口にする人がいて私自身閉口しており、非常に困った問題です。何も無いことには触れないことです。八六万屯でそうしたことがあってはいけないので、コストはどうだ、と真剣になってやっているわけですから、ウカツなことはシャベッてもらいたくないと思います。そんなことは最後の最後のことです。
これまでいろいろ話してきましたが、合理化がこれで終ったということはなく、合理化は年中行事で、日常の仕事あるということを更に認識していただきたいと思います。 組に支払う金は
年間約五億円- 土屋[神の山労務係] 神の山の貯炭は大津港とヤマの土場にあるわけですが、あのヤマが高くなればなるほど従業員の心配が増えるわけです。貯炭は今後どのようになるんでしょう。
- 所長 八六万屯出炭で逐次貯炭は減ってゆき、四十五年にはずい分減ることになります。
いま常磐全体で格内外を合わせ六十万屯の貯炭があるが、屯当り三千円としても十八億円を寝かせておくことになり、金利だけでも大変です。
それだけ寝かせておいて組員を使っているという法はない。茨城だけで組員に年間五億円はかかるんですから、この金を払わないでなおかつ貯炭を払い出すとなると、大したプラスになるわけで、早く気がつけばよかったと思います。 品質は極上の品を
- 笹原[中郷礦採炭係長] 粉化防止を声高く叫んできましたが、特中塊は貯炭の山で、一体ハウスコールは売れていくんですか。
- 所長 一口にいってガス、石油、電気に喰われて売れなくなっています。山元手取りが下っているものそのせいですが、しかし中塊類は使ってくれる間は売りまくってゆきます。
品質についても、売りいいように今月から五〇〇〇カロリーを五二〇〇~五三〇〇カロリーにし、サイズも下目三〇ミリで切って、これ以上はないといえるほど立派なものに仕上げています。
幸い両礦とも原炭が堅く高カロリーのものになってきたので楽しみにしています。 - 大角[神の山採炭係長] 所長は、どんなことがあっても茨城は黒字経営にしてゆくんだとと言い切っていますが、コストが上り、売値が下ってもそんなことが可能なんですか。
経営に自信
- 所長 私は本当は政府の政策なしにも経営は黒字にし、高能率によって高賃金を支払ってゆくんだと信念に燃えてやってきたが、残念ながら八六万トンでは自力で黒字は少しむずかしくなってきました。
政府の石炭政策をみますと四十二年度予算は
元利均等償還補給金 一二五億円ぐらい
炭鉱探査補助金 四億五千三百万円
坑道掘進費補助金 四五億円
あるようです。これを屯当りにすると三百円ぐらいになります。従って、努力すればやってゆける自信も出てくるし、縮小均衡あえて恐れることもなくなりました。
この際組を解約して支出を減らし、貯炭を少なくして収入を増やせば全く健全経営そのものの姿になる。むしろスッキリしたものになると、私はこのチャンスを、勇気を出してやり抜く決意でいます。
この際、ついでながら若いあなたがたにいうことは、この困難な時にこそ勇気を出せ、そして自分のヤマに自信をもってくれ、ということです。
諸君ら若い人は、小成に甘んじてはダメだ。自分だけ、家族だけを考えるな。ヤマ全体、従業員及び家族全員を、こうしなければという使命感をもち、大望をもってもらいたいと思う。 - 千葉 ではこの辺で、どうもありがとうございました。