日高郷土誌 目次

書名にある日高とは茨城県多賀郡日高村のことで、1889年(明治22)に町村制によってそれまでの多賀郡田尻村・小木津村が合併して成立した村である。1955年(昭和30)2月15日日立市への編入を目前にして刊行されたものが本書である。

著者の宮田実は、1969年に64歳で没。大甕神社などの神職を務める。『大甕より久慈浜あたり』(1936年刊)『大窪城主とその一族』(1943年刊)『櫛形村誌』(1956年刊)『黒前村誌』(1956年刊)『日立の風土』(新日立風土記と題して1952年から55年にかけて『週刊ひたち』に連載された。没後の1984年にそれらをまとめて筑波書林から発行)などの著書がある。

内容細目

序 文
一 古代編
第一節日高村の形成過程と古代遺跡
(イ)地史的に見たる日高村の形成過程 (ロ)古代の遺跡と遺物 (ハ)日高村の古墳
… 1
第二節古文献に現れた日高村
(イ)常陸風土記と相田田尻 (ロ)地名の起源とアイヌ語 (ハ)古代の行政区劃と田尻の駅家
… 4
二 中世編
第三節戦国時代と日高村
(イ)八幡太郎の伝説と小木津の由来記 (ロ)守護地頭 (ハ)武士の擡頭と田尻の舘 (ニ)栄蔵坊と静原の戦 (ホ)日高村に於ける仏教の興亡 (ヘ)佐竹氏の移
… 9
三 近世編
第四節水戸徳川時代
(イ)水戸藩の施政方針と寛永の検地 (ロ)横久保と一の堰の土木工事 (ハ)切支丹宗門改めと寺小屋教育 (ニ)日高村の交通路と問屋場 (ホ)兇作の施政と天保の検地 (ヘ)村役人と日高の人口動態 (ト)日高村の諸産業 (チ)黒船の警備と難破船の漂着 (リ)幕末の日高と小水津宿の鳥瞰
… 20
四 現代編
第五節明治、大正、昭和時代
(イ)明治時代の日高村 (ロ)大正時代の日高村 (ハ)昭和時代の日高村
… 44
第六節兵事、役場、議員、学校
(イ)戦死戦没者の芳名 (ロ)歴代村長助役収人役、議員議長副議長 (ハ)学佼と歴代校長学務委員 (ニ)土地、村民、各種団体、農山林一般
… 52
第七節神社、寺院祭事
(イ)神社と関係参考文書 (ロ)旧寺院と関係参考文書 (ハ)鎮守祭礼式と関係參考文書 (ニ)佐々楽踊りと風流物と参考文書 (ホ)寛永並に天保の検地に現われた寺社と免除地
… 85
第八節被賞者
(イ)孝子、節婦、篤行者
… 114
第九節名所旧蹟と風習方言
(イ)名所旧蹟 (ロ)名所旧蹟とその参考文書 (ハ)年中行事と方言 (ニ)日高村の方言
… 116
第十節年 譜
(イ)日高村歴史年表
… 127
引用参考書 … 134
あとがき … 136