日立市における住宅団地の開発状況

1958年に日立市総合都市計画(15年計画で人口28万人を想定)が決定する。同じ時期に6号国道の拡幅・付け替えがはじまる。貨物のトラック輸送に対応した改良工事であった。同じ年、日立製作所は「住宅等建売分譲規定」を制定する。そして1960年第1次住宅総合対策を打ちだす。それは従業員の持ち家を制度的に推進しようとするもので、64年からの住宅総合対策により進展する。それにあわせて日立土地株式会社(1939年設立、のち日立木材地所)が初の分譲用住宅地を成沢表田に約2000坪買収し、翌61年28区画販売。のち成沢地区向山、荒屋、芳原、二の相川、上諏訪の分譲が続く。日立木材地所による住宅団地の開発(分譲区画数100区画以上)は、日立市、東海村、高萩市に1962〜81年までに19団地、226万5120m2、5599戸にのぼる。

このことは、工場と従業員の住まい(社宅)は隣接させるという日立製作所の町づくりからの転換を意味していた。持ち家策の推進とともに工場と住まいは離れていくことになる。自家用乗用車の普及がそれを支えたのである。


資料について

表について

日立市における住宅団地の開発状況

団地名 所在地 開発着
手年度
分譲区画数 分譲業者 年度合計
西 田 諏訪町 1962 86 日立市住宅公社 486
石名坂 石名坂町 1962 210 日立木材地所
南高野 南高野町 1962 190 日立市住宅公社
南高野 南高野町 1963 319 日立市住宅公社 319
桑 原 東大沼町 1964 95 95
南 原 大沼町 1965 98 日立市住宅公社 98
海 端 東大沼町 1966 170 日立木材地所 575
山の神 * 西成沢町 1966 280 日立木材地所
森 山 森山町 1966 125 日立木材地所
下相田一次 相田町 1967 270 日立木材地所 700
曲 松 久慈町 1967 135 日立木材地所
根道ヶ丘 大沼町 1967 295 日立市住宅公社
金井戸 久慈町 1968 225 日立木材地所 986
大 沼 大沼町 1968 390 日立木材地所
平和台 * 諏訪町 1968 213 茨城県労働者住
宅生活協同組合
鹿の場 * (高鈴町) 1968 100 日鉱不動産
潮 台 1968 58 日立電線
下相田二次 相田町 1969 130 日立木材地所 427
上田沢 田尻 1969 97 日鉱不動産
後久保 1969 120 日立宅地開発
アラヤ (田尻) 1970 80 日鉱不動産
青葉台 * 西成沢町 1970 572 日立木材地所 929
赤羽根 石名坂町 1970 110 日立木材地所
田 尻 田尻町 1970 183 日立電鉄
諏訪大平 1970 64 日鉱不動産
金 沢 * 金沢町 1971 804 日立市住宅公社 1,239
松ケ丘 小木津町 1971 315 日立宅地開発
田沢台 田尻町 1971 120 (常陽不動産)
みかの原 * みかの原町 1972 261 日鉱不動産 1,130
十 王 十王町山部 1972 137 日立木材地所
小咲台 * 諏訪町 1972 133 茨城県労働者住
宅生活協同組合
天神前 田尻町 1972 120 個人
堂 平 * 西成沢町 1972 365 日立木材地所
五藤作 (水木町) 1972 60 日立木材地所
川尻切関 (川尻町) 1972 54 木村不動産
小貝浜 川尻町 1973 141 茨城交通 625
塙山一次* 塙山町 1973 484 日立木材地所
松山下 森山町 1974 131 日立木材地所 1,197
川 尻 川尻町 1974 217 日鉱不動産
中 丸 * 中丸町 1974 515 鈴縫工業
佐藤工業(東京)
豊良台 川尻町 1974 243 日立電線
赤羽台 1974 91 常陽不動産
1975
塙山二次* 金沢町 1976 94 日立木材地所 94
高鈴台 * 高鈴町 1977 350 日鉱不動産 350
1978
台 原 * 台原町 1979 743 日立市住宅公社 743
1980
いぶき台 十王町伊師 1981 552 日立木材地所 552
1982
1983
1984
潮見台 * 諏訪町 1985 181 岡部建設 181
上 合 * 田尻町 1986 847 日立市住宅公社 847
合  計 11,573

団地所在町名と分譲業者の欄で?となっている団地が数多くあります。ご存知の方、こちら までお知らせくださればさいわいです。

■ 日立市の木村さんから、1974年の中丸団地の第一と第二は、鈴縫工業(日立市 販売は日本信託銀行日立支店)が6割、残りを佐藤工業(東京 販売は日立化成工業とキムラ建設)の開発分譲によるものと、お知らせいただきました。お礼申しあげます。